ばんえい競馬の英雄
ばんえい競馬の英雄 今回は一味違った競馬から、伝説の名馬を紹介したいと思う。今では帯広でしか開催されない『ばんえい競馬』と言うものをご存じだろうか?
重種と呼ばれる馬たちが繰り広げる、非常にパワフルな競馬である。
レースのクラスによって変わるが、最大で1tにもなるソリに人が乗り、それを馬が引きずって二つの障害を越えゴールを目指すと言うもの。
スタートから先頭に立ったとしても、そのまま押し切れるものではない。障害は人馬の呼吸が合わないと、登り切ることができない。
本当の意味での人馬一体が試される競馬だ。
そんな競馬で、今も語り継がれる伝説の名馬がいる。
賞金の少ないばんえい競馬で、初の獲得賞金が1億円を超えた唯一の馬。生涯獲得賞金額もばんえい競馬史上最高となっている。
その馬の名は『キンタロー』
ペリシェロンの血を色濃く受け継ぐ馬。
デビューは3歳だったが、その頃は大して話題にも上らない馬だった。
6歳で初の重賞勝利。そして、7歳で本格化を迎える。
ばんえい競馬の中でも、最高峰のレースである農林水産大臣賞典を3度も制覇した。
キンタローが活躍していた頃は、ばんえい競馬は4か所で開催されていた。
開催競馬場により、レースへの影響が大きいと言われているばんえい競馬で、4か所すべて勝利したと言うのは、偉業でありキンタローが名馬と言われ、今も色褪せない理由の一つでもある。
様々な記録を打ち立てたキンタローは11歳で現役を引退し、種牡馬として新たな道を歩み始める。だが、その子供たちが結果を残す前に15歳でこの世を去っている。
冒頭で語った通り、現在のばんえい競馬は帯広のみの開催となっている。
農業が機械へと変わっていき、農耕馬はその行き場を失った。それと同時に、日本の馬産業はサラブレッドへと移行した。
時代の波に呑まれかけているが、その迫力と人馬の絆は、サラブレッド競馬の追随を許さないものがある。
本当の競馬好きなら一度は見ておいて損はない、そう自信を持って言える。
ちなみに、ばんえい競馬は1万円払えば、自分の好きなレース名をつけることができる。記念日などにいかがかな?
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