サラブレッドのお値段
サラブレッドのお値段 夏競馬の終わりが迫ってまいりました。今回は、ちょっとだけ横道にそれてみたいと思います。
競走馬の値段はいくらかご存知でしょうか?
セリでは最低価格が500万と言われています。これは、セリに出すまでの経費と、競走馬としてデビューするまでの育成費を合わせた額と言うことらしいです。買い手がつかなかった場合は、そのまま生産者が連れて帰ることになります。
最低が500万と言うことは決まっていますが、最高値は決まってないんですね。だから、超良血の仔馬、牧場での評価が高い馬などは、青天井のように値段が吊り上っていくわけです。
さてさてそれでは、競走馬として成績を残せなかった馬や、何かしらの事情で競走馬登録されなかった馬などは、どうなってしまうのか?
全部が全部と言うわけではないですが、そのほとんどが乗用馬になります。観光乗馬から競技用まで、その先は様々です。
この時、サラブレッドは乗用馬としてどれほどの値段が着くのでしょうか?
答えは、おおよそ30~50万程度です。
ただしこの値段は、乗馬競技やその練習に使用する馬の場合です。つまり、乗馬クラブが買い取る場合ですね。観光乗馬用は、残念ながら知りません。
競走馬時代の成績と言うのは、乗用馬になった時にはほとんど加味されません。どちらかと言うと、競走馬としての訓練を受けてない方がありがたがられます。
どっちも馬に乗る競技なんだから同じじゃないのか……そう思う方もいるかも知れませんが、実は求めるものは正反対なんですね。
競馬の動きは、体を大きく使う動き。背中を伸ばし、歩幅を大きくするように訓練で教えていきます。それこそが、スピードを生み出すことになるからです。
しかし、乗馬ではその反対の動きを求められます。背中を縮め、歩幅は小さく。スピードよりも見た目の美しさが必要になるからです。
動きの事もそうですが、何よりも馬の性質が乗馬には適していないのです。
サラブレッドの性質は、他の馬種に比べて熱くなりやすい性質を持っています。訓致である程度は抑え込めますが、それでも何かの瞬間に弾けやすいです。
そしてなによりも、非常に神経質で、環境の変化に弱く、故障しやすい。
オリンピックで有名になった法華津さんを覚えてますか?
彼の愛馬ウイスパーは、サラブレットでした。その為、馬場に設置されたモニターなどに影響され、実力を発揮できずに終わってしまいました。
このように、サラブレットは基本的に乗馬には不向きですが、性格などで乗馬競技でも活躍する馬はいます。もちろん、練習馬としても。
同じ馬を使うものでありながら、馬に求めるものが正反対。それでも、馬が生きる道があるのは、良い事なんだろうと思います。
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