奇跡の桜
奇跡の桜 奇跡の桜、華麗に咲き乱れる。そんな言葉を贈りたい。その名は、ファイトガリバー
何が奇跡なのかと言うと、その競争人生。
デビュー後に1勝を挙げたものの、3歳(現在の2歳)ではこの1勝を挙げるにとどまった。この時点で、ファイトガリバーは並みの競走馬でしかなった。
明けてクラシックシーズン。
初戦を2着となり、その次できっちりと勝利を収める。そして、桜花賞トライアルに臨むも3着となり、優先出走権を逃す。
だが、ここで奇跡が起きた。
なんと、他の馬の出走回避が相次ぎ、桜花賞に出走できることとなった。この回避した馬の中には、後に女帝と言われるエアグルーブも含まれていた。
それでも、実績のないファイトガリバーは人気薄。18頭中10番人気。単勝倍率は100倍を超える万馬券と言うもの。ここから分るとおりだれも、この馬に注目などしていなかった。
レースではほぼ最後方から進み、巧みに馬群を捌いて4コーナーで好位に着けると外から力強く伸びて、見事栄冠を勝ち取った。
こうして、全くの無名馬は桜の女王になると同時に、クラッシク戦線での主役の一頭に駆け上がった。
二つ目の栄冠をかけたオークス。
ここでは、距離の不安から4番人気となった。だが、レースはエアグルーブに次ぐ2着となり、その能力の高さを証明して見せた。
秋のシーズン。オークスの雪辱をと臨んだローズSで屈腱炎を発症し、長期療養でこのシーズンを棒に振る。その後復帰を果たすも、本来の走りを取り戻せず引退した。
通算12戦3勝。主な勝ち鞍は桜花賞。
G1ホースではあるが、決して一流と言える成績ではない。それでも、彼女の起こした奇跡と、それを自分のモノとする強さに、自分は魅せられた。
ファイトガリバーが桜花賞を取った時、自分は確か中学生。ゲームから入った自分を現実の競馬へと導いてくれたのも、その楽しさを教えてくれたのも彼女であったと言っても過言ではない。
強さを超えた魅力を持つ彼女の雄姿は、今でも目に焼き付いて離れない。
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