世界の競馬・欧州編
世界の競馬・欧州編 各地域の競馬の特色などを、ちょいちょいと語っていきたいと思います。今回は、競馬発祥の地である欧州競馬についてです。・日本と欧州の相違点
競馬発祥の地で、動物愛護の精神が非常に高い国です。そのため、レースで鞭を使える回数は7回までと決められていたりします。
なによりも、競馬場は社交の場であり、ドレスコードまで存在するとか。一応馬券の販売もありギャンブルの一面もありますが、それほど重視されていません。
開催日も、日本と違ってほぼ毎日どこかしらでレースをしています。なので、ジョッキーは、各地の競馬場を毎日のように転戦しています。そのため、騎乗歴が同じ年数でも、日本のジョッキーとは段違いに騎乗数が多いです。
・競馬場の違い
競馬場の形は実に様々。周回コースになっていない競馬場なんかもあります。
また、高低差が激しい競馬場も多く、スタートからひたすら登り、中間点からゴールまで下り坂なんてコースもあったり、ゴール前の直線が650mなんてところもある。
とにかく、競馬場自体がケタ違いにでかいのが特徴。
大きさや形状もさることながら、欧州競馬上の最大の特徴は自然を重んじたコースとなっていること。そして、これが日本の馬にとっては最大の脅威。
第一に、整地がされていないと言うこと。
自然のままの地面に芝を生やしているだけなので、非常にデコボコとした地面を走ることになる。しかも、自然を重んじているためかモグラなども生息しており、コース上にモグラの穴があるなんてことも珍しくない。
第二に、芝がものすごく深い。
日本競馬が短すぎるってのもありますが、それにしても欧州競馬は芝が深い。実際にコースに立てば、簡単にくるぶしまで埋まってしまうほどの深さ。
馬の肢には優しいが、その分だけスタミナとパワーが要求される。
この二つがきれいな地面の上しか走ったことがない日本馬には、パニックを起こしてしまいそうなほどの脅威。どれくらいの差があるかを馬に聞いたわけではないので、具体的に言うのは難しいですが、陸上のトラックと砂浜くらいの差はあると思われます。
ちなみに、欧州競馬にはダートレースはありません。
ターフを駈けるというのは、芝コースを駈けると言うことなので、欧州競馬から生まれた言葉と勝手に解釈しています。
・血統的背景
欧州血統は、根底に重厚なスタミナ血統とパワー血統がある。
重厚なスタミナはもちろんのことだが、不安定な下地と深い芝、さらに高低差の激しいコースを走りきるためにパワーも必要になる。欧州血統はこの二つが中心に構成されているため、日本やアメリカなどの競馬に対しては、スピード面で劣る傾向がある。
日本で欧州の種牡馬が大成しづらいのは、この血統的背景があるとも言われている。それでも、多数のG1ウィナーを輩出しているのは、さすがと言える。
・騎手技術
動物愛護の観点から鞭の使用回数まで決まっている欧州競馬。
日本の競馬みたいに、鞭を使っての追い込みというよりは自身の腕で馬を追う技術が発達しており、他の地域に比べて追いの技術は非常にレベルが高い。そしてなにより、日本ではほとんど見ることのできない『見せ鞭』を使用する騎手も多い。
見せ鞭は、馬の顔の横で鞭を振ると言うもの。叩くよりも効果は薄いが、馬への負担もスタミナのロスも少ない技術。
下地が不安定なために、日本でスタンダードな『モンキー乗り』をする騎手は少ない。これは、バランスを保つために足の接地面積を増やす為。
日本に比べて、鐙の高さは低めに設定する場合がほとんど。
ちなみに、欧州は冬場は競馬が開催されない時期があります。これも、動物愛護の観点からで、疲労の蓄積を避けるためだと言われています。
冬場に欧州の騎手が、短期免許で日本に来るのはこのため。
・賞金について
嫌らしい話ですが、ここもだいぶ違います。
開催日が多いために、重賞レースも数多く開催されます。そのため、一部のレースを除いてG1レースと言えども、1着賞金が数百万程度。日本でいえば、条件戦並みの賞金です。
ちなみに、凱旋門賞などの名誉あるビッグレースになると、1着賞金は1億ほどになりますが、その数は非常に少ないです。
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